5月16日から18日、自由法曹団の5月集会に初めて参加してきました。
自由法曹団とは、平和や人権問題に取り組む弁護士が所属する団体で、今回会場となった広島・安芸には全国から500名近い弁護士と事務局が集まりました。
5月16日の朝、羽田空港を発ち、ホテル到着後、早速午後から事務局の交流会がありました。
はじめに広島での開催ということもあり、「原爆症認定集団訴訟と核廃絶―ヒバクシャのたたかい」というテーマでの講演がありました。
弁護士 池上先生のお話の後には、被爆者であられる矢野さん(84歳)のお話がありました。
生い立ちから1945年8月6日 8時15分、広島に原爆が投下された時のお話。そして、その後現在に至るまでの辛くて、苦しかったナマの体験、想い、声を懸命に私達に語ってくださいました。
終始、胸がキューッとしめつけられる思いで聞いていました。
先日ニューヨークでの核不拡散条約(NPT)再検討会議は、核軍縮の流れが停滞したまま幕を閉じたようですが、矢野さんのお話を聞き、さらに核、原発は不要、の思いが強まりました。
次に2つのグループに分かれて、他の事務局の方との交流会がありました。
後継者問題、活動と就業との区別について、集客について、広報についてなどなど。
私のグループには事務局長の方も数名いらして、全国の事務局さん達の活発な意見が飛び交いました。
5月17日、この日は多くの弁護士が参加しての全体会から始まりました。
前日までの事務局約50名とは規模が違います。広い会場が弁護士で埋め尽くされる、その規模に圧倒されました。
その後の分科会は、二人の子どもを持つ母として、また学校という教育現場に携わった経験もあるので、「教科書」をテーマとした会に参加しました。
問題とされている新しい教科書が会場内で講演中、回覧されましたが、確かに偏った内容の記述がところどころに見受けられるものでした。
参加者からの発言によると高校の公民の教科書の中には安倍総理の顔写真が15枚も掲載されているものがあるそうです。
子どもは純粋です。だからこそ教育は大切です。
日常の中ではゆとりもありませんが、落ち着いて考えを深めることができた学習会でした。
夜の大懇親会では、主催者である広島支部の方から、広島の美味しい日本酒がふるまわれましたが、あっという間に無くなってしまいました。
前日にはお目にかかれなかった牡蠣も、この日は美味しくいただくことができました。
最終日、5月18日は、事務所の複数の弁護士が関わっている「貧困・社会保障」の分科会に参加しました。
NPO法人自立生活サポートセンター・もやいなどで活動されている稲葉剛さんのお話や、千葉県銚子市の県営住宅母子心中事件についての要請行動報告などがありました。
単に貧困といっても、経済面だけではなく、精神的、人間関係の貧困もある、という話が印象に残りました。
また最近は低所得者の7割もの若者が家賃を払えず、親と同居しているそうです。
戦争、原発、教育、貧困。
全体を通して、これからの未来を担う子供たちや若者たちが、平和で希望をもって生活し、働ける、そんな世の中であってほしい。
この5月集会では、そのようなことを考えさせられました。
空き時間には観光もしてきました。
17日の午前中には、前日知り合った他の事務所の事務局の方々と一緒に、15人で宮島観光に行きました。
世界遺産、厳島神社はいつ行っても荘厳で美しいです。
余談ですが、ここの長い渡り廊下は全て、板を張り合わせたものなのですが、私はその板と板の溝に何度もパンプスのヒールがはまってしまいました。
今後行かれる女性のみなさまは、ご注意を。
ロープウエイにも乗り弥山、獅子岩駅まで行きました。
目の前には島々が点在する穏やかな瀬戸内海が広がり、雄大な自然を感じることができました。
最終日の午後はあいにく雨が降りましたが、錦帯橋にも足を延ばしました。
今回の5月集会では、他の事務所の先生方や事務局の方々と交流し、また多くのことを学び、大変有意義な3日間を過ごすことができました。
先生方の活動の一部を垣間見ることができたのも、よかったです。
参加してみて、微力ながら、今後何かお手伝いができればとも思いました。
事務局 安藤