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雑感 ”世界文化遺産”(弁護士 宮澤 洋夫)

雑感 ”世界文化遺産”(弁護士 宮澤 洋夫)

弁護士 宮澤 洋夫

2014年6月21日、操業停止後18年に亘り片倉工業に管理された「富岡製糸場と絹産業遺産群」がユネスコの世界文化遺産に登録され、これに続いて11月27日小川町・東秩父村に伝承されてきた細川紙を含む「和紙 日本の手漉和紙技術」のユネスコ無形文化遺産登録がなされた。

戦後数年間まで郷里長野県筑北地域の農家は養蚕業を営み、〃繭〃は主として片倉工業に売却され、冬の農閑期には副業として一部の農家は信濃川上支流に簇生する楮を原料として手漉和紙を製造し松本市の業者に売却されていた。
現在は何れも見ることはない。

明治政府の近代化政策はフランス技術を導入した官製富岡工場を設立し生糸産業を軸に進められた。
岡谷市周辺の片倉工業等は改良した諏訪式工法により飛躍的増産を遂げ、輸出総額の60%占有に寄与し「女工哀史」を残しつつも〃絹文化〃の造り上げ・強大な軍備の原資提供の役割を果たして日清・日露戦争の勝利に寄与した。

重化学工業への転換の遅れが〃太平洋戦争〃敗北の重要な一因となっているとの認識の下に戦後復興が推進され、最近まで世界第2位の経済国にまでの繁栄をもたらした。
文化遺産登録の期に国の在り方を再考したいと思う。

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