女性のための労働相談「パワハラ・セクハラ」(弁護士 谷川 生子)

弁護士 谷川 生子

女性を対象とした労働相談で多くの割合を占めるのが、パワーハラスメント、セクシャルハラスメント等の職場内における人格権侵害に関する相談です。
入ったばかりの職場で上司から「ぐず、なめくじ。給料ドロボー。」等の罵声を浴びせられた。
男性ばかりの職場で冷房が効きすぎて寒いと訴えたらわざと冷房が一番あたる場所に席替えを命じられた。
上司に命じられ運転手として車で現場に向かう間ずっと膝に手を置かれていた。
終業時間後に執拗に誘いのメールが来る。
産休後会社に復帰すると「まさか戻ってくるとは思わなかった。」と言われた・・・等々。

他人事と片付けないで

仕事のできない自分が悪い、きっぱり断れない自分が情けない、パワハラだとすら考えず毎日を鬱々と過ごしている女性が沢山います。

抗議すれば職場の人間関係が悪くなってしまう、あるいはクビになるかもしれない、と声を上げられないまま我慢を重ね、うつ病等の精神疾患を発症し、結局退職を余儀なくされる例も少なくありません。

その場合、長期間就業できなくなり、問題は深刻です。
/使用者には、労働者が安全に労働に従事できるように配慮する義務があります(労契法5条)。この義務の一環として、会社に「職場でのいじめ行為を防止する義務」を認める裁判例もあります。しかし残念ながら、パワハラ・セクハラに対する意識はなかなか高まりません。社内の相談窓口の他、労働局や弁護士への相談が必要です。/

そのような中、社内でパワハラが横行し、社員がつぶされていくのを見るに堪えない、職場環境を改善するためにどうしたらよいかという労働者からの相談がありました。
他人事と片付けない姿勢が、職場を、社会を変えていく力になると思います。

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