初心忘るべからず(弁護士 髙木 太郎)

弁護士 髙木 太郎

事務所開設40周年ということで、自分の入所時の事務所ニュースを振り返ってみました。91年7月号です。新人挨拶で、弁護士になった動機について、「東京電力の思想差別事件で闘っている当事者の方からお話を聞いた際に、屈辱と大変な苦労のなかで、明るさを失わず闘っている姿に感動し、このような素敵な人と一緒に仕事をしたいと思った。」と書いていました。

今、3/11の原発事故で、被害にあった方々の損害賠償事件に携わっています。もし、東京電力が思想差別をせず、原発に批判的な社員の声もきちんと反映する会社であったなら、今日のような悲惨な事態は免れたのだろうと思います。

原子力の利権に群がる人たち、核兵器保持の可能性を残すために原子力に固執する人たち、そこから広告料をもらって原子力への批判が出来ないマスコミ、未だに原発0を阻止しようとしている人がいます。

歴史を逆転させないためには、誰が何をしたか、どうしてこうなったか忘れないことが大切です。僕はとても忘れっぽいのですが、誰が何をどうしてこうなったか、けして忘れず、歴史を逆戻りさせないように、しっかり、しっかり、見据えて、自分が何をしなければならないのか、自分の子どもに何を伝えなければならないのか、身近な人に何を伝えなければならないのか、考えて生きていきたいと思います。

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