幸福度(弁護士 梶山 敏雄)

弁護士 梶山 敏雄

どこの研究機関が発表しているのかは忘れましたが、都道府県の「幸福度」というのがあり、毎年「福井県」が第1位であった記憶です。

もし、その理由の中に経済力的な指標があり、大飯原発の見返りが反映されているとしたら何と危うい「幸福度」かも知れません。
野田首相と福井県知事らの、何が何でも活断層密集地帯に位置する原発再稼働ありきの、できレースのやり取りは、「八百長」の見本を見ているようでした。

世界の「幸福度」(2011年度)で言えばデンマークなど北欧3国が1位から3位を占め、日本は81位だそうです。
デンマークは消費税25%、税金負担率は70パーセントと、日本のそれよりはるかに高率ですが、医療・教育はタダであり、病気などで失業した際の補償も十分な手当てがなされています。
年金は少ないそうですが「何が起こっても今の生活が維持されるという安心感」こそが「幸福度」が高い大きな要因なのでしょう。

社会保障制度において北欧は日本より3~40年先を行っていると言われていますが、かつてはバブルに踊らされ「金が一番」という時代もあったそうです。価値観を根本から変え、モノより自由・時間、シンプルな生活が大事という社会が創り上げられました。

「コンクリートから人へ」という民主党のスローガンに見事に騙されたことを深く恥じると共に、今起こりつつある脱原発の大きなうねりを見ると、まだまだ「幸福度」を追及できる日本の国民力はあるぞ、とも感じています。

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