雨を汚したのは誰??(弁護士 伊藤 明生)

弁護士 伊藤 明生

 今回の福島原発の事故のせいで,放射性物質を含んだ雨が降るとの情報に接し,昔,「just a little rain」という歌い出しで,題名が「雨を・・・」という歌があったなあ,ジョーン・バエズが歌っていたなあ,と昔の記憶が蘇りました。しかし,それ以上のことは思い出せません。そこで,ネットで調べたところ,60年代に核実験に抗議して作られた歌で,ジョーン・バエズの他にサーチャーズというイギリスのバンドも歌っていたとか。邦題は「雨を汚したのは誰?」。原題は「What Have They Done to the Rain」。これをそのまま訳せば,「彼らは雨に何をしたのか?」。受験英語で覚えた知識からは,現在完了形の疑問文ですよね。過去形ではないところに意味があるのでしょう。「What Have They Done to the Rain」の歌詞のなかで,「Just a little boy standing in the rain ・・・And・・・・, the boy disappears」と歌っています。あの時,内部被曝のなんたるかも知りませんでした。あのころは,「原爆を許すまじ」「青い空は」という歌も歌われていました。私も歌っていました。なのに,福島原発事故。

 反原発を長年訴えていた方は,福島原発事故のせいで、大気中にばら撒かれた放射性物質は、もう全国を汚染しているんだということを事故後の早い時期から言われていました。そして,ようやく11月になって、それが裏付けられる文科省の調査結果が発表されました。今もって隠されている情報がまだまだあることでしょう。医師であり被爆者である肥田舜太郎氏は,「原発や核兵器から人工的につくりだされる放射線は,人類にとって未知のもので,体内に取り込まれた放射性物質は濃縮され,細胞の新陳代謝を混乱させる」と言われています。いのちと原発は共存できません。最近,反原発を歌っているFrying Dutchman(フライング・ダッチマン)のHumanERROR(ヒューマン・エラー)を知りました。私の言いたいことを言ってくれています。この若い人たち,すごい。
「さぁ立ち上がれ!声上げろ!原発絶対反対!ただちに撤廃せよ」
原発 零(ゼロ)!

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