ひとりぼっちじゃない、生活困窮者支援(弁護士 谷川 生子)

弁護士 谷川 生子

 昨年のことになりますが、10月、埼玉弁護士会主催のシンポジウム「人間らしく働き生活するために」が開催され、私も埼玉弁護士会貧困問題対策本部の一員として準備段階から関わりました。

 テーマは、生活困窮者の問題が深刻化する中、人間らしく生きる権利を実現するために「行政と民間との連携をすすめよう」というもので、当日は弁護士のほか、厚労省、埼玉県、さいたま市といった行政機関、夜明けの会、いのちの電話、埼玉県労働者福祉協議会等の民間団体7団体、困窮状態にある当事者の方3名という多くの方々に壇上でご報告いただきました。

 弁護士会の企画に行政機関、民間団体が協力し、一堂に会するという機会はめったになく、冒険的な要素はありましたが、結果として総勢145名の参加者を得て、集会は成功に終わりました。

 生活困窮者は、失業、多重債務、疾病等様々な問題を複合的に抱えており、各団体は日々それらの問題に懸命に取り組んでいますが、必ずしも横のつながりがあるとはいえません。ある行政機関の方からは、今回のシンポジウムを通じて様々な取り組みがあることを知り、世界が広がった気がするとの感想を頂きました。一人ぼっちじゃない、と気づくことは、当事者のみならず支援する側にも力になるようです。

 集会を通じて団体間の連携が図られ、従前からある生活困窮者の問題、さらには被災者支援にもつながればと思います。また新しい一年が始まりました。

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